はじめての採用ブランディング-採用×ブランド・エクイティを考える-

採用マーケティング、採用ブランディングが叫ばれて久しいですが、
サイトや記事を見ても、どこか思いつきというか、
各メディアやプレイヤーの勘とコツに頼ってそれらが語られているように感じます。

そこで今回はブランディングの大家デービッド・A・アーカーのフレームに沿って、
採用ブランディングを考え、それをスライドにおこしてみたので、
そちらをブログにしてみます。

採用ブランディングとは何か?

採用とブランディングに分けて考えてみます。

 

ブランドとは?

なんとなく知っている「ブランド」ですが、実は非常に奥が深いです。

元々ブランドという言葉は家畜の識別のために「焼印を押す(brand)」ということに由来していると言われています。
デービッド・A・アーカー(2014)によると、ブランドとは、以下の定義がされています。

・組織から顧客への約束
・顧客がそのブランドに触れるたびに生まれる感触や体験をもとにして、次々に積み重なり変化していく顧客との関係
・ブランドが表すものが、機能面だけでなく、情緒面や自己表現、人間関係においても役立つという約束を守る

 


改めて、採用ブランディングとは?

そのようなブランドの定義を踏まえ、採用ブランディングを
「自社と(潜在的/顕在的)候補者との機能的、情緒的、自己表現、人間関係において役立つという約束を形創る取り組み」
と定義しました。

 

ブランドはどう作るのか?

 

ブランド論の世界では大家と言われるデービッド・A・アーカーが、
1991年にブランド・エクイティ(ブランド資産)という考え方を提唱しています。

デービッド・A・アーカー(2014)によると、1980年代後半に、ブランドは資産であり、資産価値を持ち、事業戦略およびその業績を左右する発想が生まれたとのことで、
その時点で既にブランドを資産と捉え、どう戦略的に構築していくかの議論が始まっていると述べられています。

 

ブランド・エクイティはどう作るか?

アーカーによれば、ブランド・エクイティは、ブランド認知、ブランド・ロイヤルティ、知覚品質、ブランド連想、その他のブランド資産により構成されると定義されています。

 

ブランド認知とは?

単にブランド名が知られているかどうかではなく、どのカテゴリに属しているのかを認識されているかといったことまでを指します。
また、その程度としても段階があり、ブランド名を聞いたことがある(助成想起)~カテゴリーを示されるとブランド名を言える(純粋想起)→純粋想起の中で1番最初に名前があがるトップ・オブ・マインドとなっています。

 

ブランド・ロイヤルティとは?

ブランドに対する執着心の測度を指しており、顧客が満足している程度、スイッチングコストの大きさ、ブランド対する選好度、コミットメントの度合いといった要素があります。

 

知覚品質とは?

ある製品またはサービスの意図された目的に関して、代替品と比べた品質ないし優位性についての顧客の知覚のことを言います。
顧客による知覚であるため、企業側が考えている品質や現実的、客観的な品質とは異なることがポイントです。

 

例えば、以下のような例で知覚品質を表してみました。
企業側が意図した品質が伝わりきっていないケースや、逆に品質が拡張されているようなケースもあります。

 

ブランド連想とは?

生活者がブランドについて「解釈」し「想起」する一連の連想を指します。

 

 

このブランド連想は、単になんとなくブランドのイメージを持ってもらう、ということではなく、
誰にどんな連想を抱いてもらうかを綿密に考慮、設計する必要があります。

 

以下に流れをスライドにしていますが、
「誰に?」というところで、STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの略)をしっかり行うこと、
またSTPの中をもう少し細かく見ると、実際にはターゲティングしたセグメントの中で代表的な顧客のイメージ=ペルソナを設計し、
そのペルソナのインサイトを導出してポジショニングを考えていくといった流れをとることから、
それらの項目を追加して流れを記載しています。

念の為スライドに記載の定義を文章化しておくと、

・セグメンテーションとは、何らかの切り口で市場を切り分ける
・ターゲティングとは、セグメンテーションで分類されたセグメントをターゲットとする
・ペルソナを設計することととは、ターゲットの中で具体的な人物像を設定すること
・インサイトとは、「まだ自覚されていない消費者の頭のなかにある、買う理由やきっかけになりそうだが、まだ見つかってないこと」を洞察すること
・ポジショニングとは、ブランドに対して抱く独自のポジションを設定すること

となります。
インサイトの定義はタカタノリコヒコ(2016)を引用しています。

STPの最後のポジショニングは極めて重要な要素であり、
ブランド連想の中軸になる、生活者の中でそのサービスが独自に識別される、約束として位置づけられるわけですが、
様々な側面や接点で生活者はブランドに対して連想を抱いてもらう上で、
一貫した連想としてポジショニングと整合性のある連想を強化していく必要があります。
側面や接点の例として、いくつかピックアップしてみました。

またブランド連想を形創っていく上でのフレームワークとして有用な、
Kapfererが考案したフレームワークである、以下のブランド・アイデンティティ・プリズムを紹介します。

 

コカ・コーラのブランド・アイデンティティ・プリズムの事例も参考として引用しております。

 

その他のブランド資産

 

以上で、一通りブランド・エクイティについてまとめました。
構成要素を一貫して設計し、高い水準へと取り組んでいくことでブランド形成がなされるということになります。

以下からはこれまで学んだブランド・エクイティのフレームを採用にかけあわせてみる、
という試みをしていきます。

 

採用×ブランド・エクイティを考えてみる

ここからは、採用ブランディングを推し進めるために、
アーカーのブランド・エクイティの理論を採用で考えていきます。

 

再度ブランド・エクイティの構成要素をおさらいしておくと、
-ブランド認知
-ブランド・ロイヤルティ
-知覚品質
-ブランド連想
-その他のブランド資産
の5つになります。

 

以下順に採用領域での適用を考察していきます。

採用ブランディングの方法:ブランド認知を広め、深める

採用ブランディングの方法:ブランド・ロイヤルティを高める

採用ブランディングの方法:知覚品質を高める

 

知覚品質は一概にこれをやれば高まるというものではなく、各製品やサービスにおける顧客の品質の感じ方を調査し、多変量解析(因子分析、重回帰分析など)を行うことによって、明らかにされます。
先行研究で提示されているものは、家電製品の修理、小口金融、長距離電話、証券の仲介、クレジットカードのような業種を含んで調査がされ、その次元が導出されていたので、そちらを以下に引用しています。

 

 

例えば、エンジニアへの意識調査をPaizaさんがされていたので、引用させていただいております。
Paizaさんの調査はあくまで求人票ベースでの調査のため、知覚品質全体を推定できるものではないかと思いますが、
何を重視し、どうブランド(採用企業)を選択しているのかという仮説を元に採用企業の知覚品質向上を考察していく形になります。

採用ブランディングの方法:ブランド連想を強める、適した連想を設計する

メルカリさんを例に、STPをやってみています。
正解かどうかは別にして、使い方を参考いただくというイメージでご覧いただければ幸いです。







採用ブランディングの方法:その他のブランド資産を活かす

以上となります。

参考文献としては以下のような書籍、論文、記事などを参考、引用させていただいております。

 

 

また、本スライドは以下で公開しています

Speaker Deck

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ということで、以下からは宣伝ですが、
もし採用ブランディングにご興味がある企業様がおられましたら、お問い合わせいただければ嬉しいです。

Twitter:@yhashizaki
メール:info@mstage.tokyo

また、採用ブランディングをご支援いただける人事の方や、マーケターの方がおられれば、是非ご登録をお願いいたします。
副業人事の方:http://www.prorec.biz/
副業マーケターの方:http://www.hrhacker.biz/


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橋崎良哉

二児の父。これまで4社経営の経験があり、複数社で新卒/中途採用に深く関わりダイレクト・リクルーティングを中心に採用活動を行う。学部後webベンチャー起業→家業の鉄鋼加工業→MBA→Webベンチャー→ナイジェリア現地企業に投資・共同経営→AIスタートアップ(6年でゼロから60名10億を牽引)→プロリク運営。

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